分散染料の結晶が水に溶解する過程を,i結晶が過冷液体に変化する, iiその過冷液体が水に溶解する,の二つの過程にわけて考察した。セロハン膜を用いた透析平衡法で分散染料の水に対する溶解度を30~70℃で測定し,また示差走査型熱量計により分散染料の比熱融解熱を測定した結果から,i,iiの過程の熱力学関数値を算出した。その結果,分散染料が水に溶けにくいのはiiの過程が起こりにくいためで,その原因は溶解熱が正の大きな値となるためであると認められた。モデル分散染料と分散染料の溶解過程の熱力学関数値,双極子モーメントなどの比較から,分散染料は双極子構造の寄与が大きく,双極子間相互作用によって染料の分子の問に大きな分子間力が働くため,染料分子が染料相内に強く拘束されて水相への移行が困難となるので水に溶けにくくなると推定された。双極子溝造の寄与が大きいことは極性基をもつ疎水性基質に対する親和性を高めるので,分散染料の水溶性と疎水性基質に対する親和力との問にはよい相関性が見られる。
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Shibusawa et al. (1977) studied this question.
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