ニカメイガ幼虫を人工飼料で飼育する際イネあるいはイネの水抽出物を加えると,幼虫の成育,成虫の羽化がよく行なわれるが,もし過剰の水抽出物を加えると,かえって幼虫の成育が阻害される。したがってイネには幼虫の成育を阻害する物質が含まれていると考え,その物質の抽出を行なった。阻害物質はイネの水抽出物のエーテル抽出物に強く現われる。エーテル抽出物を塩基性,中性,酸性,フェノール性物質に分画すると,各分画に分かれ,特に中性,塩基性に強い傾向がある。酸性分画をシリカゲルのカラムクロマトグラフで分け,安息香酸,サリチル酸を見いだした。更に大量のイネから抽出を行ない,これらの物質を分離し確認した。安息香酸とサリチル酸はニカメイガ幼虫に対して成育を阻害する作用があるが,最初に期待したほどの阻害力は示さなかった。またこれらの酸は,抗ばい剤として知られているので,イモチ病菌,イネゴマハガレ病菌の胞子発芽阻害作用を調べた結果,強い胞子発芽阻害力を示した。
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ISHII et al. (1962) studied this question.