花崗岩森林流域において行われた水質・水文観測と表層土壌ライシメーターを用いた原位置実験の結果をもとに,土壌層での浸透過程における緩衝様式の分布について検討した.測定された流域における各水文素過程ごとのイオンバランスから,植物―土壌系での養分循環の影響をうける表層土壌層とそれ以下の下層土壌層で異なる緩衝様式が存在することが示された.表層土壌層での緩衝様式は,降雨によるインプットに加えて,動・植物遺体に由来する有機酸,NO3-に伴うプロトンとがCa2+, Mg2+を主としたカチオンとの交換する反応によってによって特徴づけられ,下層土壌層での浸透過程では土壌CO2の溶解・解離によって生じるプロトンを,化学的風化過程で消費する緩衝様式が大きなウエイトを占めていることがわかった.流域レベルの緩衝能を検討する場合,表層土壌層の緩衝能ばかりでなく下層土壌層の風化過程の評価が重要であることが指摘された.
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Ohte et al. (1997) studied this question.