対人サービス業務では,自分自身の感情をコントロールし,相手に合わせた言葉や態度で対応することが要求されるため,感情労働 (ホックシールド) と呼ばれている。感情労働に伴う感情の疲労や心の傷は,単に休憩や休暇によっては回復しにくい特徴がある。そのため,肉体労働や頭脳労働よりメンタルヘルス問題が生じやすく,そのうち深刻なものはバーンアウト (燃え尽き症候群),うつと自殺である。 バーンアウトでは,相手に対する不満や怒りなどの自然な感情を抑えすぎてしまい,感情が枯渇し燃え尽きてしまう病態である。一旦燃え尽きると自然には回復せず,感情面のケアを必要とする深刻な事態となるが,日本では,バーンアウトに対する職場での認識が不十分である。バーンアウトは,職員の個人的な健康問題だけでなく,家族全体の機能低下をもたらし,かつ,職場にとっては労働生産性の低下を来す重大なメンタルヘルス問題であると認識し対処すべきである。職場でバーンアウト・ハイリスク者をサポートし,バーンアウトに陥った職員を早期に発見し,適切な対応が必要である。 日本では,うつ病者が急増しており,対人サービス職場でも例外ではない。それに関連して,近年,うつ病概念が拡散して,いわゆる,「新型うつ病」が増加している。これらの新型うつ病者に対しては,従来のうつ病治療や職場での対応では十分な効果が期待出来ず,対応の見直しが必要となっている。また,近年,うつ病者の社会復帰に関連して,リワークプログラムの有効性が日本でも注目されるようになっている。更に,注意すべき重大なメンタルヘルス問題にうつ病の自殺がある。これはうつ病の早期発見,早期治療により予防できるものである。 対人サービス職場におけるメンタルヘルス対策の実際として,筆者が関与している宇都宮市役所 (公的サービス業務,職員3,449名) と上都賀総合病院 (医療サービス業務,職員606名) の職員メンタルヘルス活動について報告した。対人サービス業務でのメンタルヘルス活動において,メンタルヘルス不調の適切なアセスメントが重要である。更に,効果的なメンタルヘルス活動の実践のためには,職場の産業医と専門医との連携,職場内産業保健スタッフとの良好な連携が不可欠である。
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Shinkichi Eto (2013) studied this question.
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