症例は76歳の男性で,胃心囊瘻を伴う進行胃癌の診断で紹介となった.緊急で心囊ドレナージ術を施行したが,心囊への消化液の流入が持続し感染コントロールが不良であったため,初回手術後8日目に胃切除術を行った.術中所見では,胃体中部小彎側の腫瘍が横隔膜・壁側心膜に直接浸潤しており,肝外側区域,横行結腸間膜への浸潤も認めた.手術は,胃全摘術(d2郭清),肝外側区域切除術,横行結腸部分切除術,横隔膜・壁側心膜合併切除術を施行した.結果的には開胸せずに腹腔内の操作だけで手術を完遂することができた.術後経過は比較的良好であり,経口摂取も可能となり,術後48日目に転院となった.胃癌が横隔膜を介して直接心囊に浸潤する症例は極めてまれであり,切除術を行った症例報告はない.今回,我々は胃癌直接浸潤による胃心囊瘻に対して,胃全摘術を施行し比較的良好な経過をたどった1例を経験したため報告する.
Miyamoto et al. (Wed,) studied this question.