症例は78歳,女性.食事摂取時に有鈎義歯を誤飲し,救急搬送となった.食道壁に嵌入しており,内視鏡的摘出を試みたが困難であったため,緊急で右開胸食道異物摘出術,胃瘻造設術を行った.術中や術直後の経過に問題はなかったが,icuに帰室して20分後にショック状態になった.造影ctでは出血源は同定できなかったが,右胸腔内に多量の血腫があり,再開胸止血術を行った.食道内腔から多量の出血を認め,術前ctで大動脈弓部に有鈎義歯の一部が接している所見があり,同部位の損傷による出血と考えた.心臓血管外科の協力のもと,食道抜去後に大動脈の出血点を圧迫止血した.食道瘻を造設し,手術終了とした.術後ショック状態から脱し,リハビリ目的に術後22日目に療養病院へ転院とした.食道異物で手術を要する症例はしばしば経験するが,大動脈損傷をきたす症例は稀であり,文献的考察を含め報告する.
KAWASHIMA et al. (Wed,) studied this question.