自由エネルギー原理は、フリストンによって提唱されたベイズ推論に基づく脳と心の統一理論である。ベイズ推論では、人や動物が経験を通して信念を更新するプロセスをベイズの定理を用いてモデル化する。この自由エネルギー原理に基づいた知覚や行動を説明する枠組みを能動的推論と呼ぶ。能動的推論では、人や動物は感覚入力からの推論(つまり知覚)において変分自由エネルギーを最小化し、行為の選択では期待自由エネルギーを最小化するとされる。このように、能動的推論は、自由エネルギー原理に基づいて、人や動物が変分・期待自由エネルギーを最小化しつつ知覚や行動するプロセスをモデル化できる。能動的推論は、様々な問題に対する柔軟なモデル化を提供し、階層的なモデルなど心理的な関心の高いモデル化も可能になり、その汎用性や理論に基づくモデルであることからも心理学・神経科学において関心が高まっている。そのような期待がある一方で能動的推論に関する数式の理解やさらにはその実装については、解説書などが足りていない現状がある。そのため、本チュートリアルワークショップでは、能動的推論入門として、その基本的な内容とrを用いた実装について扱う。
Yoshihiko Kunisato (Wed,) studied this question.