遺伝子の発現プロセスでは,まず上流プロモーター配列の機能によって転写が生じ,下流のタンパク質コード領域の情報がRNAへと転写される.しかし筆者らは,いわゆる「プロモーター配列」を必要としない新しいタイプの転写活性化現象を発見し,それを「de novo転写」と名付けた.De novo転写では,コード配列自体がその上流近傍からの転写を誘導しており,この現象は真核ゲノム中でプロモーター領域がどのようにして出現したのか,つまりプロモーターの起源と進化を考える上で,興味深い.本稿では,このde novo転写現象の特徴・発見の経緯に加え,この発見が今後のゲノム分子生物学や進化学に及ぼし得る影響について解説する.
Hata et al. (Sun,) studied this question.