台湾で育成された長稈穂重型の多収性品種台農67号とわが国の代表的品種で短稈穂数型の日本晴を用いて, 両品種の収量および乾物生産過程とその違いをもたらす生理生態的要因について検討した。台農67号は日本晴に比べて, 1穂穎花数が著しく多いので収量は多く, 乾物生産量も大きかった。台農67号の乾物生産量が大きい要因を生長解析により検討した結果, 草丈が高くなり始める出穂期以降, 平均葉面積指数 (Lai) および純同化率 (Nar) がともに大きいという特徴をもつことがわかった。この違いが生じる要因を両品種の個体群構造から検討したところ, 出穂期以降, 台農67号は日本晴に比べて, 1) Lai が大きいにもかかわらず草高が高いので葉面積密度 (Lad) が小さいこと, 2) 吸光係数はやや小さく, 登熟期には長稈の割に上位葉が直立し受光態勢が良いこと, 3) 葉面積指数が大きいにもかかわらず個体群内の蒸発量が大きいこと, 4) 葉面積指数が大きく, 各葉位の個葉光合成速度がほぼ同じか高いにもかかわらず, 個体群内のco2濃度が日中高く推移することがわかった。これらのことから, 台農67号は, 受光態勢がよいことに加えて, Ladが小さいことと関係して個体群の光合成, 物質生産に大きな影響を及ぼすco2拡散効率が大きいという特徴を備えていることがわかった。以上の結果を基礎に, 多収性品種育成に当って, 物質生産からみて長稈穂重型の有利な性質を利用することを考えると同時に, 耐倒伏性の問題を稈の物理的, 生理的, 形態学的性質の面から研究する必要のあることを指摘した。
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Kuroda et al. (1989) studied this question.