二形性酵母 Candida albicans の形態形成に関与する生化学的基盤を解明することを企画し, 本菌の細胞壁合成阻害剤耐性変異株および発育形態変異株を用い, 発育形態と種々の代謝活性との関係について検討を行なった結果, 次の成績を得た.(1) 選択的細胞壁合成阻害剤による野生株の菌糸形発育阻害パターンおよびこれらの阻害剤に対する耐性変異株の発育形態と細胞壁多糖成分の合成能から菌糸形発育には細胞壁多糖各成分のうち, β-グルカンの正常な合成が最も重要である.(2) グルコース代謝は, 菌糸 (M) 形変異株においては主にエムデン・マイヤーホフ (EM) 経路により行なわれ, 一方, 酵母 (Y) 形変異株はヘキソースーリン酸 (HMP) 側路により行なわれる.(3) Y形変異株はM形変異株に比べて, 脂質合成能が高い. また, エルゴステロールおよび脂肪酸以外のリン脂質および不飽和脂肪酸の合成活性についても高いことがわかった.(4) 以上の成績から, C. albicans 形態形成の最終過程を支配する細胞壁の合成, とくにβ-グルカンの合成はグルコース代謝におけるHMP側路により生成されるNADPHの脂質合成を介しての細胞膜脂質組成の変化およびEM経路により生成されるATPにより調節される可能性が推察される.
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Hiratani et al. (1989) studied this question.
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