1960年から1988年の間に経験した肺アスペルギローム40例および血清診断を依頼され診断が確実と考えられた肺アスペルギローム症例26例について, 種々の角度から検討を加えた. 診断時の年齢は31歳から83歳にわたり (平均61歳), 男女比は5:1であった. 菌球の発生部位は上葉が63例と圧倒的に多く, また菌球の数は1個が大多数で60例を数えた.自験例40例から分離された真菌は Aspergillus fumigatus が最も多く21例, A. flavus 1例, A. candidus 1例, その他同定できなかった Aspergillus spp. 7例, 菌陰性10例であった. 胸部X線上, 菌球形成には5. 5ヵ月から12年 (平均4年6ヵ月) を要した. 手術適応例は僅か1例のみであった. 15例に抗真菌剤の空洞内注入が行われていた. 1回だけの注入例4例では, 菌球の大きさに変化を認めていない. 複数回注入した8例 (延べ11例) では, amphotericin B を使用した2例, flucytosine の1例, miconazole の1例の計4例において, 菌球の崩壊を認めた. うち1例は注入療法中に細菌性肺炎を併発したが, 抗生剤の投与により肺炎が改善傾向を示すと共に菌塊を喀出し, 数ヵ月後に菌球の消失を見た. また3例に菌球の自然崩壊が見られた. 以上より抗真菌剤の経気管支空洞内注入療法は, 手術の適応を欠く症例には試みる価値がある方法と考えられた. 死亡例は18例で, 死因は呼吸器疾患によるものが13例 (呼吸不全5例, 喀血・窒息2例, 肺感染症 {多分細菌性} 6例) で, 呼吸器以外の疾患によるものが5例であった. 肺アスペルギロームでは, 生命の危険を伴うような大喀血が多いと考えられていたが, 今回の検討では, むしろ細菌性肺炎や呼吸不全による死亡例が多かった.
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Izumi et al. (1989) studied this question.
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