灰色かび病菌 (Botrytis cinerea) の分生胞子をトリデモルフ10μM含有培地に培養すると, ほとんどの胞子は発芽するが, 発芽管の分岐が多くなり, 隔壁間の短縮をともない生長が抑えられた. 同様の異常はブチオベート処理によっても観察された. さらに, トリデモルフはブチオベートと同じく菌体のエルゴステロール生合成を阻害したが, ステロール生合成過程における阻害点は両者間で異なっていた. エルゴステロールの生合成阻害とともに菌体内に蓄積するステロール類の分析結果から, ブチオベートはステロール骨格14位における脱メチル化を阻害し, トリデモルフはΔ7からΔ8への二重結合の移動 (異性化) を阻害するものと考えられた. また, トリデモルフは100μMで分生胞子の発芽を阻害し, 細胞内容物の漏出を惹き起した. このような現象は低濃度 (10μM) では観察されず, ステロール合成の阻害は同濃度で認められたので, トリデモルフの低濃度における高い抗菌性はむしろエルゴステロールの生合成阻害に起因するものと思われた.
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KATO et al. (1980) studied this question.