ポリ塩化ビニルの分子構造と,焼成物の構造との関係を検討するために,ポリ塩化ビニルの熱重量分析と,425℃に加熱した焼成物の赤外および紫外吸収スペクトルによる観察を行なった。ポリ塩化ビニル試料としては,Geon 103EP(G)と-30℃で重合した試料とを用いた。熱重量分析曲線から得られる分解初期(270℃以下)の活性化エネルギーは両試料ともに22kcalであったが,400℃以上での熱分解過程に対するそれは,Gが37kcal,Fが46kcalであった。次にカラムクロマトグラフィーにより両試料をいくつかのフラクションに分離し,赤外および紫外吸収スペクトルで検討した結果,次の事実が認められた。これら焼成物の平均分子量は700~800で,縮合環型の芳香族構造と,かなりの量の飽和脂肪族構造からできている。更にGからの焼成物はFからの焼成物よりも多量のかつ長い脂肪族構造をもち,FはGよりも直線型の芳香族縮合環構造を作る傾向が大きい。これらの結果から,原料PVC中に含まれているシンジオタクチックおよびアイソタクチック構造の含有量が焼成物の構造を決定する際の重要な役割を果しているものと推測した。
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Ōtani et al. (1962) studied this question.